2014年10月28日

バーの公用語

先週末 5年前に次なる勤務地へ転勤なさったAさんが、手土産持参でお見えになっていただいた。

旧知の挨拶を交わし、愛飲の 「ジム・ビーム」 と、ヨーロピアン・ジャズ・トリオ の 初代ピアニスト  「カレル・ボエリー」 が奏でる マスカレード・イズ・オーヴァー で、歓迎の意を称した。
そんなAさん、来年は定年退職をむかえるという。

サラリーマンは、役員でもない限り、定年退職はやってくる。
また、定年まで 「無事これ名馬」 ならいいが、社内政治によるリストラ、尊厳無視な辞令の発令、   寝耳に水の倒産など、どこかで大きく舵を切らなきゃならないときもあるだろう。
中には、自分の人生を会社に委ねるのは潔しとせず、どのようなことがあろうが、自分の人生は自分で決める人もいるだろうし、どんな職業であれ、終わりは必ずやってくる。

来るべき日にどうするかなんてわからないけど、たったひとつだけわかったことがある。
組織でしか通用しない、「会社語」 (専門用語) は、社会では通用しない。
組織の依存症に陥ると、「社会語」 (共通用語) が、苦手となってしまう。
会議の後、居酒屋で本会議ばかりしているタイプは、「会社語」 の 傾向はあると思える。

ご当地、新潟が生んだ女子プロレスラー 「里村芽衣子」 さんを知っているかな。
彼女は、クラッシュ・ギャルズ の 「長与千種」 が、立ち上げたプロレス団体 「ガイヤ・ジャパン」 の一番弟子として有名だが、後にプロレスの閉鎖された世界をこう語っている。
「特殊な団体生活で育てられたから、団体以外の人とは挨拶はおろか、公の場で目を合わせて普通の会話ができなかった」 と、ひとりで泣いたことをもらしている。
そして、「自分は人として、決定的に何かが欠けているのでは」 と、そのころの悩みを述懐している。
もちろん、新弟子時代の若きエピソードであり、今では 「センダイ・ガールズ」 の 代表エースとして、笑顔を取り戻し、興行の責務に溢れて、コミュニケーションに支障などない。

つまり、ひとつの会社で、決まった顔ぶれで過ごしていると、社会との接点を見失ってしまうんだ。
社会とつながってさえいれば、仮に会社を辞めたとしても、その謙虚さで意外と何とかなるもの。
問題は 「会社を社会の縮図」 だと疑うことを知らない、逆説的な大きな錯覚であろう。

手前味噌な言い方になるが、バーの公用語は社会語だから、不必要な上下関係や会社語を店内に      持ち込んでも、無鉄砲な言動で常連になれるような甘さはない。
さしずめ、公用語を知らずに定年退職すると、暴走老人の予備軍になってしまうから注意したいものだ。

バーで、やわらかい時間を過ごせる人は、まず心に余裕があるから、仕事ができることも断言する!

posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする