2014年09月17日

Closing Time

三連休明け 火曜の夜…

僕は中央区のド真ん中で慎ましく暮らし、細々と商売を営んでいるが、今夜は人や物の気配を感じれずなんとも心寂しい日だった。

彼女はさざ波の音色 (ドアチャイム)を、きれいに鳴らせるお客さんである。
いつも入口あたりの席に遠慮がちに座るので、「ご遠慮なく」 と奥の席に導くこと数回。

いつ来るか予想つかない女性客だが、注文するのは 「ネグローニ」が多いかな。
1杯で席を立つ日もあれば、3杯ほどで過ごす日もあり、わかっているのは 「カンパリ系」が好きなこと。

私生活は詮索しないが、会話の受け答えから察すると、販売員 (接客)に従事していると思われる。
それともうひとつ、平日の夜にしか現れないことだ。

最近、ひとりでお酒を飲みに来る、女性客が増えてきた。
涼しくなったこともあるが、秋の夜長になると誰かと話をしたくなったり、複数で集いたくなるものだ。

だからと言って、50歳を間近に控えた既婚の僕が女ずれをして、女性客を独占するようなことはない。
なれなれしい態度だと、相手の身を硬くさせるから、最初は遠目から親近感を測る程度にはしている。

バーで、男性客が女性客に声をかけて、一緒に飲むぶんには問題はない。
このあたり、大人同士なんだから、意思表示はできるだろう。
その代わり、お酒の一杯ぐらいはごちそうして、声をかけた以上は、楽しい会話を心がけてほしい。

ただし、しつこい男の介入を許さないようにするのは、僕の役割となるが、そうめったにお目にかかれる場面ではないし、仮に不純な目的を感じたら、その時点であしらうようにしている。

ある日、今晩の女性客との会話で、「ご夫婦でなさっているようなので、安心しているんです」と一言。
以前も、違う女性客から、「ご夫婦でされているんですか…」と、めずらしがられたこともある。

僕は意識してないけど、そのほうがいやらしくなく、雰囲気に円みでもあるのだろうか。
それにピンク色にそまった女性の肌に、年甲斐もなく興奮するようなこともないからね。

寧ろ、お客さん同士で恋愛する気があれば、その縁を取り持つこともあったけど、どうも後味の悪い    出来事も味わったので、紹介 (仲介)は、慎重を期することにしている。

アメリカの南西部あたりのバーでは、男が集う場所として、歴史的に女は閉めだされていたらしい。
日本では、男が女を連れて行く場所でありながら、今では女性のほうがひとりで入って来るんだから、   いかに男が女をエスコートしなくなったかがわかる。
女性の年齢は割れるところだが、颯爽 (さっそう)と、サバサバした性格は共通している。

僕自身、酒を売って、ジャズを流しているつもりはないんだ。
夜の過ごし方であったり、年齢差をこえた会話だったり、文化的で生活をつむぐほうが意義ある。

バーでは、ひとりは 「点なる個性」であっても、交われば 「線なる社会」になれる場所だと思っているし僕自身の気持ちも救われたと感じたことも幾重にあったからね。

今夜、慣れた帰路でありながら、どことなく寂しい街の雰囲気だった…   お ・ わ ・ り
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする