2014年09月01日

孤独な結束感

94年 ブラジルのグレイシー柔術が日本に来襲してから、プロレスを含む総合格闘技は破壊された。

その頂点に圧倒的な強さで君臨していたのが、グレイシー一族の長男 ヒクソン・グレイシーだった。
ヒクソンに挑んだ格闘家は連戦連破され、その強さはだれもが認めざる得なくなっていた。
ついにUWFの中心的存在でもあった、高田延彦も声高らかに挑んだが、結果は戦いにならなかった。
その試合前から、高田にエールを送っていた前田日明は、「もしも、高田が負けるようなことがあったら、そのときは俺が行く」と、対戦に名乗りを挙げていた。
しかし、高額なファイトマネーを要求するヒクソン陣営と折り合いつかず、断念せざる得なくなったことは多くの格闘ファンなら知るところであろう。

前田と高田は青春をともにした仲間でありながら、時のイタズラも重なり、いつしか袂を絶やした。
だが、日本の格闘界を根底から脅かす、グレイシー柔術が現れたとき、前田の中にあるバンカラ時代の生きざまが再燃したのである。
つまり、仲違いしても共通の敵が現れたとき、一枚岩になれる男気こそ、最強伝説になるんだと思える。

ここまでの書き出しが長すぎた…
柔道世界選手権2014 男子団体戦が4年ぶりに金メダルを獲得した。
試合方式は5対5の3勝先取で、日本の決勝相手は開催国であるロシア。
先鋒の海老沼と次鋒の大野が、まさかの2連敗で後をなくした番狂わせ。
3人目の選手が負ければ、その時点で銀メダルで終わりだが、中堅と副将が奮起し2勝2敗で大将戦にまで持ち込み、七戸の成長からすれば、大船に乗った気持ちで安心して見られた。
動じず焦らず、がっちりと相手の柔道着をつかみ、揺さぶりをかけながらワンチャンスを逃さなかった。
波乱の展開ながら、日本柔道の復活の兆しは見えたようで、団体 「金メダルの功績」は大きいと思う。

書き出しの伏線となるが、「だれかが負ければ、だれかがそれに挑む」
それが団体戦であって、揺らいではならない、戦いの信頼関係なんだ。

柔道のような個人競技だと自己主張が強くなり、チームとして結束感に欠けるとよく言われたものだ。
スポーツをやるのなら、チームプレーを養える競技をやるべきだと、低レベルな解釈に悲しくなったこともあるけど、断じてそんなことはない。
普段はライバルながら、孤独な競技だからこそ、力を合わせることに純粋な思いを抱いているんだ。

それこそ、ルールという概念が存在しない無法時代ならば、格闘技の勝利は生、敗北は死だった。
日本中が好きな言葉 「サムライ」であるが、それまでの孤独を通してささえ合える関係こそが、     真の結びつきなんだと思える。
つまり、ビジネス的な発想を超えたところに、「個として和に協力する」 団体戦の魅力があるんだ。

「もし、あいつがやられたら、そのときは俺が行く…」   報復論理ではない!

僕にとって、柔道団体戦とは、困難を乗り越えた硬派な結びつきを表していると言えよう。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Sports Fan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする