先週末、N塚さんから、「エンリコ・ピアルヌンツィ」(P)の新作 「ストーリーズ」を回して(貸して)もらい、連日自宅で聴いていた。
ヨーロッパ系 ジャズピアニストで最初に聴いたのが、「ローランド・ウイルド」だったと思う。
その後、「ミシェル・ペトルチアーニ」や「イヴァン・パドゥア」などを経て、選曲面で理解しやすい 「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」や「カレル・ボエリー」あたりで座持ちをしていた。
ヨーロッパのクラシカルで親しみやすい旋律が、そのころの心境に合っていたのかもしれない。
しかし、端正なヨーロピアンジャズばかりだと、たまには粒ぞろいに変化も欲しくなるもの。
知るのは遅いぐらいだったが、そのときに推薦されたのが、タイプ違いの「エンリコ」なんだ。
個人的な愛聴盤は二枚組 「ライブ・イン・パリス」(01)の一枚目。
行間が延びるので魅力はつづらぬが、こんなにスリルのあるアルバムもそうそうないだろう。
冒頭、「回してもらった」と記したが、その意味わかるかな。
「コレクター」は、CDを集めるのが目的なので、まずCDの貸し借りをしない。
「リスナー」は、CDを聴くことが目的なので、プレミア以外の貸し借りはさほど惜しまない。
聴くことで交流しているので、おたがいのいいを交換し合いたいんだ。
もちろん、共感や異論など、双方の語彙(ごい)が交差するのも大きな楽しみでもある。
今、僕の手元から回しているのは、「大石学」 「本田竹彦」 「辛島文雄」 旧リーダー作。
逆に、教えてもらったのは、「堀秀彰」や「浜崎航」などの、若手グループ 「エンカウンター」
たまたま日本人なだけで、聴くことを目的にしていれば、肌の色など一切関係ないわけでね。
こうしてジャズを肉声で語り合い、新旧問わずミュージシャン(アルバム)を探しているのである。