2014年04月25日

30年前のボス

毎年春ごろになると、30年前のボス (元上司) が来店してくれる。

初めての職場環境で不安にさらされたとき、直属の上司の存在は精神的に頼りになる。
生まれたてのヒナが、最初に見たものを親だと思う話に似ている。

僕は18歳で、新社会人となった。
ボスは8歳年上の兄貴分であり、職場での仲のよさは他の人から、ヤキモチを妬かれるほどだった。
当時、誕生した娘さん (長女) も、今年29歳となり、結婚して2人の子どもを授かっているという。
そんな通称 「はまさん」 も、今年で58歳になる。

あれから30年…  はまさんとは空白だった。
感情の行き違いで別れたのではなく、僕がひとつの場所に止まれなくなったことが理由である。
兄貴のような存在ながら、別れに寂しさを感じなかったのは、若さの強み以外に考えられない。

僕は他にやりたい仕事をのんきに語っており、それが無意識であったにせよ、もしかしたら、はまさんの仕事上の好意を踏みにじっていたのかもしれない。
これは別れてから、気づいたことだったが、取り越し苦労だったことがわかりホッとした。

28歳のはまさんには、守る家庭が存在していたし、僕は外の空気を吸いたくてたまらなかった。
一昨年、店で再会したとき、あのころの笑顔に戻れたことが、苦々しい別れでなかったことを証明した。

昭和に青春期をむかえた男は 「カラッとした性格」 が多い。
30年後、バーカウンター内側に部下がいて、外側に上司がいる光景など、当時は想像すらできないし、店の話を聞きつけて来てくれたことに、胸を打たれてしまった。
ボスの一言 「おまえが新潟に帰ってきていたことが嬉しい」  言葉は時の空白を埋めてくれる。

今度は、僕からお誘いするのが 「ボスへの流儀」 である。
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする