2014年04月23日

初夏の街

4月は街のいたるところで、新社会人と思しき若者を見かけるようになる。

その面構え、一生懸命に就職活動をしたわりには、弱々しげな目をしている気がする。
まあ、世の中をわかったような面をして、年上をなめきったバカよりはマシであるが…

若かりしころの就職活動といえば、警察官採用試験の1回きり。
早くに情熱が冷めたことからして、大した志望動機でもなかったのだろう。
その後、新聞広告を眺めては、地元の中小企業に応募していた程度である。

入社試験もなかったし、面接の予備練習もしたことはない。
意識したことは履歴書を丁寧に書き上げて、面接では応募の動機を誠実に伝えて、自己アピールは  不器用でもいいからしっかりと伝えること… この3つだけ。
あっ、それから、挨拶と言葉使いに気をつけたぐらいで、それ以外は「スーパーゼロ」からだった。
それにコネや自慢できる学歴もない上、演技も達者じゃないので、胸を張って頭を下げるだけ。
だから、面接前はジタバタしなかったし、学力重視では勝ち目はないからね。

それに落とされたら落とされたで、自分を鼓舞するため、「落としたおまえらがバカだ」と開き直る。
だけど、採用されたら義理も重んじて、まっしぐらに努力はした方だったと思う。
ただ、今思い返せば不器用な若さゆえ、間違った努力も多かった気もするけどね (笑)

83年、山田太一原作 「ふぞろいの林檎たち」という、テレビドラマがあった。
「三流大学の落ちこぼれ」という設定で友情と恋愛、就職活動を通じて、社会への葛藤を描くシュールな青春ドラマであり、その最終回の場面が印象的だった。
面接日… 3人の落ちこぼれは待機する控室で急遽、大学別に面接会場と面接官も仕分けされた。
それを見た柳沢慎吾は、「ひでえよ、差別じゃねえかよ…」とやり場のない怒りを、同じ会場で待機する時任三郎に詰め寄るが微動だにされず一言… 「胸を張れ、いいから胸を張れ、要は生き方よ」
隣の席で待つ中井貴一も腹が決まっているらしく、無言で真正面だけを見ている。
すっかりと変わってしまった2人を見た柳沢は、ふてくさりながらも席に着こうとしたそのとき、テーマ曲「いとしのエリー」が流れてドラマが終わったと記憶している。

そんなリアルタイムなドラマの中に、「学歴がその人を輝かせるのではない」と若者は教えられた。
日本は学歴や肩書、特に地方都市においては家柄(縁故関係)も、幅を利かせている傾向がある。
もちろん努力には与するけど、生まれ持った条件を満たしている中には、裕福なお坊ちゃまも多い。
悪くはないが、鼻持ちならない金の匂いがつきまとい、いざというときほど頼りにならなかったりする。
ことわざをもじれば「自信ある鷹は爪を隠す」もので、すごいかどうかは相手が決めることだからね。
個性ぶる必要はないが、面構えが息づいてないのは、ハッタリも実力の内がわからない気がする。

今年の新卒はどうなのかな…
ちょうど仕事にも慣れた6月ころ、「初夏の街」を歩けば、なんとなくわかるのかもしれない。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする