2013年07月30日

乱取り稽古

7月、印象に残った出来事をひとつだけ書き出してみる。

某日、高校時代の柔道部の後輩が店へ訪ねに来てくれた。
卒業以来30年ぶりの再会と思いきや、いつか街中で2度ほど立ち話をしたのを知らされ、おのれの記憶力の悪さを恥じた。
そんな後輩は警察官である。

会話は柔道部の出来事になるが、驚いたのは彼の記憶がいいこと。
忘れていた記憶を、次から次へと引き出してくれる。
僕ら三年生が一年生らに、麻婆豆腐を作って食べさせたこと。
しかも、ビールまで飲ませて、部員を酔いつぶしたことまで。
柔道部の主将でありながら、何を考えていたんだろうね (笑)

言われなかったら、一生思い出すことはなかっただろうし、それは断片的な記憶でしかない。
この記憶の差は何なのか考えたら、ひとつの謎が解けたような気がした。
中学の柔道部の後輩も言ってたけど、一年生という存在は見るもの知るもの全てが新しいため、初めての出来事は敏感に覚えているものだ。
ところが三年にもなると、大量に新しい情報が飛び込んでくるので、記憶の許容量を超えた出来事は    飛び出してしまうんだと思える。
つまり、新しい興味が広がりすぎて、当時の出来事を頭にとどめておけないんだ。

もう、いろんなこともわかってくる。
上級生は下級生をまとめて新入り扱いするが、下級生は上級生をひとりの怖い先輩として見てしまう。
過去を鮮明に覚えているのは、そのためなのだろう。
それに10代、多少のいざこざがあっても、内面が白いまま別れているから、妙なしこりがないんだ。
もう過去を清算できる潔さが身についているわけで、それができなかったら、きっと本人の人間関係は つらいものでしかないんだと思える…

柔道は本音をぶつけ合えるスポーツだ。
勝ち負けは別にして、堂々と畳の上で柔道着を組み合い、思いっきり技をかけあった者同士であれば    その後も気持ちよく会えるんだ。
逆に、柔道をしなかった奴(組み合わずに逃げてばかりいた部員)は、いつまでもイジイジすんだことを  蒸し返すから感情がこじれやすい。

高校時代、言うこと聞かない連中のたまり場だったしね (笑)
柔道の弱さを棚に上げて、強くなれないのは学校のせいだとか、ルールのないケンカなら負けないとか   ほとほと精神的に疲れたことは覚えている。
しっかりと柔道着を組んで、「乱取り稽古」した関係に限れば、ふたりの時間は懐かしく思えるものだ。

そうか、あいつ警察官になったんだ…   時代は変わろうが、人間関係そんなもんでしょ。
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする