5年ぶりに始動した「サザンオールスターズ」って、結成して35年経過したんだね…
デビュー当時を知る世代としては、誰もが「パロディバンド」で終わると思っていた。
それが翌年「いとしのエリー」のように、完成度の高いバラード調に音楽性を感じた。
ジャズもバラードに、その人の知られざる内面があるもので、桑田圭佑もジャズが好きだという。
同じメンバーだけで、35年の長さはどれほどであろうか…
普通なら、バンドを休眠状態にして、離合集散を繰り返すもの。
続けるにしても好む好まざる関わらず、やるからには一緒にいなくてはならない。
その分、私生活はおたがいどこで何をしているのか、わからないぐらいがちょうどいい。
それでやるときは真剣に協力することが、バンドを長持ちさせる秘訣なんだと思う。
バンドは「志の集合体」である。
サザンの場合、音楽性以外に人間関係の「モデルケース」でも、カリキュラム化できるんじゃないか。
「音楽性の違いで解散します」と宣言して、ステージでメロドラマする多くのバンドとは明らかに違う。
若い頃は、ある程度一人前になるまでは、集合体に身を置かざるを得ない。
それが近年、団体行動の大切な意味を知るまでもなく、すぐに若者は孤立化を好むようになった。
健康的な兆候ならいいが、ほとんどが引きこもりみたいなんだからね。
早熟なんていう都合のいい言葉じゃなくて、歩むべき順序を間違っているわけでさ。
サザンのメンバーシップは、しかるべき団体行動を経ての「個」がある。
私生活の経験を持ち寄って、各々が音楽に反映させている。
つまり、誰ひとり別れることなく、個人が独立しながら一緒に過ごしてきた35年なんだ。
サザンが愛されているのは、仲間と時間を大切にしたことが、成功の秘訣なのである。
僕はサザンをあまり聴かなかったけど、自然と口ずさんでしまう曲は 「EMANON」(1983)
サビの部分 「砂の浜辺で口ずけた ひとときを思い出せば…」の節を聴くとグッとくるね。