2013年06月05日

職業は傾聴

素性は明かせないが、ひょんなことに某店主に相談ごとをされた。

僕は人から相談されにくい雰囲気があると思っているし、気の利いたことひとつもいえる術もない。
「珍しい夜もあるな…」と思いながら、余計な口をはさまずに最後まで聞いたつもりだ。
時季や地域など特定されそうな事柄は外して、最低限の分量「女性店主」だけで書き進めていく。

招かざる客に、困っているという。
最初は「よく来てくれていいじゃない」と思ったが、そんな単純に済むような話ではなかった。
女性店主にありがちなことだが、お客さんがいろいろアドバイスしてくれるのはありがたいだろう。
しかし「店のためを思って…」と前置きされては、あれこれと意見するようになるお客さんもいる。
寛大な態度にも思えるが、自己顕示欲の強い客のようで、そのとおりにしないと不機嫌になるらしい。
小さい店は気を利かせ合いながら、自然な会話を愉しむところなんだけど…

最初は一定の距離を保ちながら、当たり障りのない話題で会話を探り合うのが一般的なはず。
だが、次第にご法度とされる政治や宗教、悪いことには他の客の悪口まで言うようになってきた。
冗談レベルではなくなってくると、今度は他のお客さんからも煙たがられてしまう。
これでは「商売が初めて」という、免疫力の弱い女性ではストレスを真に受ける。
僕のように「勝手に言わせておけ」ぐらいの性格ならいいが、純粋だからこそ傷つきやすい。

女性の接客は和ませてくれるもの。
それに事欠きわがまま三昧では、女性店主もたまったもんじゃないだろう。
お金を遣ってくれるのは純粋にありがたいが、精神的なストレスも次第に大きくなる。
つまり、お客さんが生身であれば、女性店主も生身ということ。
その後、男性客は来店回数が減り、今は違う店で飽きもせずにホラを吹きまくっているとか…

結果として、よくあるパターンだ。
店のためを思ってとは言うが、実は自分の居心地だったりしている。
本当に店のためと思うのであれば、店のためになることをするだろう。
他のお客さんからも好かれているし、通い続けていれば自然と清さと粋を身につけているものだ。

女性店主は、答を求めて打ち明けたのではない。
誰でもいいから悩みを打ち明けて、聞いて欲しかっただけだと思う。
共感に勝る媚薬はないと思えるし、時に傾聴は人を助けるともいう。
考えすぎるなと言っても、女性の場合はきっと不安なんだろうね。
それに相談されて、勘違いする年齢でもないしね。

僕自身、人に相談することは大概にしている。
だけど沈んだ気持ちが少し晴れるのであれば、きっと傾聴してくれる人の元へ行くだろうな…
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする