2012年11月11日

銭湯恋しく

銭湯が恋しくなる季節が到来した。

体の芯まで冷えた日には、銭湯の湯煙を思い浮かべる。
夕方の定刻、仕事を終えられる人は羨ましい。
銭湯上がりに立ち寄れる、小料理屋でもあればなおさらいい。
その辺は、過去に何本も綴ったので指先は止めるが、書き飽きないところは見逃して欲しくない。

銭湯の良さに気づき、改めて通い出したのは五年ほど前からである。
それまでの仕事は定刻でなく、親の介護で自分の時間を取れなかったことが何年も続いていた。
ある日、介護生活に少し余裕ができて、自宅からほど近い銭湯にひとりで出かけた。
暖簾をくぐると、どこか近くて懐かしい空間が広がっており、明日への活力を感じた。
帰り道、大股開きで自転車をこいで星空を見上げたら、どこか気持が軽くなったことを覚えている。
時を越えて、銭湯通いがまたはじまったのは、そんな日がきっかけだった。

銭湯の廃業が続く中、店主は生業で儲けようとは思ってないだろうし、願いは至って素朴であろう。
文化は生活の糧にはなるが、とても金儲けの対象にはならない。
庶民が支え合っての継続だし、地域が存続を可能にしている。
それに町に顔見知りがいることは、地域の防犯にもなるでしょ。
見守る文化もあるけど、利用してこそ守れる文化もある。
それが銭湯であり、こうして利用しているからこそ、長く書き綴れると思っている。

木枯しが吹き荒む、深夜の帰り道。
もしも、銭湯が開いていたら、僕は迷うことなく暖簾をくぐるであろう。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Shower Fan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする