2012年09月08日

猫の夜会

深夜の帰宅時、特定の道で猫が数匹、夜会をしているところに出くわすことがある。

歓迎されずに自転車を停めて、口笛を吹いて猫の気を引くが、餌をやるでもないので懐くはずもない。
「この、おっさん、また来たよ…」と、迷惑そうにしながら、キャットウォークで暗闇に消えてゆく。

猫のプライドは高い。
犬は人に懐いて可愛がられることで、進化した動物だと思う。
猫は本能と演技を巧みに使い分けて、人と距離を計って進化してきたと思う。
性質はとても気まぐれなので、まともに付き合うとこっちも疲れてしまう。
だから、いい加減な塩梅で付き合うのが、人と猫の理想的な距離感である。

猫の習性で言えば、夜会という点においては、バーのお客さんに似ている。
薄暗い空間で、ゆっくりと穏やかに楽しむ人もいれば、疲れを癒すかのように気だるく過ごす人もいる。
かと思えば、カウンターの隅で、静かに寝息を立てているスーツ姿の人もいる。
常連客も慣れたもんで、新しいお客さんには相応な気遣いをしてくれる器量がある。
つまり、一定のルールさえ守れば、誰でも気軽に参加できる大人の空間があるんだ。

バーは、大人の猫が集まるような、劇場型のストーリーが魅力だ。
特にジャズバーは「オス猫」が多く、急な「メス猫」の来店に戸惑う、「常連猫」が多いのも事実。
まあ、女ずれしたオス猫よりも、少し奥手なオス猫のほうが、幸せを呼ぶ「招き猫」だったりもする。

バーの定義で言えば、気取らない紳士淑女が酒と音楽、会話や出会いを楽しむ場所でもある。
ある女性がこう言っていた  「バーカウンターとウイスキーが似合う男がいい」と…。
「ひとりで酒を飲めないような男では、いざという時に何も期待できない」とのことだ。
男として、身につまされる辛口意見だが、本当のことを言えば、当らずも遠からずである。

こうして、どこにあるのかまぎらわしい路地裏のバーで、毎晩深夜3時まで夜会は繰り広げられている。
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする