2012年07月26日

宮本武蔵 「31」

米大リーグ、マリナーズのイチローが、ヤンキースに電撃移籍したニュースは記憶に新しい。

ハツラツとしたプレーが、魅力のイチローもすでに38歳。
チームの再編を考える球団であれば、若手を中心に人選し、外部から補強をするのがセオリーだろう。
そうすると衰え著しい、高年俸のベテラン選手を、いつまでもクリーンナップに添えるわけにはいかない。
そのためには、密かにベテランを排斥する動きが、水面下で企てられてくる。
他の選手には知らされていなかったというが、密室で体制は整えられていただろう。
こうして次第に追い詰められていったのが、電撃移籍の真相のような気がする。
物事には、「本音と建前」、そしてもうひとつは、「真実」というものがある。

個人的には、マリナーズへ12年近く在籍し、数多くの貢献をしてきたわりには少し冷たい気がした。
だが、記者会見では「前向きな挑戦」を強調しており、実にすがすがしく末尾を締めた。
僕はこの電撃移籍は、今の中高年の気持を代弁したような気もした。

若手の頃は「可能性」や「未来」など、耳障りの良い台詞で会社からその気にさせられる。
その言い方と受け取り方によっては、若手は次第に「上はダメだ」と嘆きはじめる。
管理職候補であれば、酒の席で上役から、耳打ちされた経験はあるんじゃないかな。
そして時が流れ、今度は自分がベテランの域に入ってくると、次第にその頃がフラッシュバックしてきて、
言い知れない不安に駆られてくるわけだ。
だから、ベテランになればなるほど、水面下で足の引っ張り合いが起きるんだ。
そうなると組織の活力が内向きとなり、不毛な職場環境で耐えざる得なくなる。
売上で会社が成り立っていることを思えば、外を見ることの方が、よっぽど大切なことなんだけどね。
そこで耐えることも選択だし、飛び出ることも選択である以上、どこにも絶対的な正解などない。
人生なんて大げさな言い方はしないけど、「開き直る」か「耐え抜く」かの選択のようにさえ思える。
ただし、自分の考えなく、その時々の権力に便乗しているような奴を信用すると必ず痛い目に合うよ。

照らし合わせれば、イチローだって特別な人物ではなく、普通の人物だったってこと。
移籍の理由は「未来を考えれば、僕はここにいるべきではない。環境を変えて刺激を求めたい」とした。
「それがお互いのため」と末尾を締めたときは、過去を振り返らない、潔い男だなと感じた。
その証拠に慣れ親しんだ背番号「51」にこだわらず、新背番号「31」にした姿勢が覚悟の表れである。

その意味では、イチローの電撃移籍は、やっぱり中高年の気持を代弁したと思える。
当然良し悪しの問題ではなく、意思表示をはっきりしたということが正解なのである。
つまり、世代は巡ることが教訓であり、それに「なるようにしかならない」と開き直っていたほうが世の中、よっぽど生きやすかったりするもんだ。
僕は、社会的に役立つ人間って、イチローのように自分の意思をハッキリと言える人だと思う。
だから、人種差別が著しいアメリカでも差別をされてないし、寧ろ頼られる存在になったでしょ。

宮本武蔵の名言葉 「われ事において後悔せず」…  彼、イチローから学べると思わないか!
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする