中学の同窓会の知らせが届いた。
夏冬年2回、学年規模で開催されるようだが、出席できないのがこの仕事の運命。
今流行の同窓会不倫、同窓会がきっかけで再婚したりすることなんてあるのかな。
更年期を前に、「もう一丁、うおー!」とか、勝手にハッスルしちゃうのかね。
夜の仕事、女癖を引き合いに出されるがこれは全くの誤解。
体内時計が違う異性とは、普通には交際できないからね。
それに立ち仕事が終われば、ダシガラ状態になるときもあり、もう年齢的に体力の消耗も感じる。
22歳の頃、東堀の飲食店で店長として、明け方近くまで勤務していた。
当時の交際相手は同い年のOLで、門限があるような箱入り娘だった。
他所の土地から母子家庭で新潟に移り住み、父性には恵まれていなかった。
休日も時間帯も合わないので、まず会う時間を作ることがふたりの共同作業になる。
飲食店とはいえ、男の職場に客として会いに来させる真似はさせなかった。
そういうところでは、けじめをつけていたので、ずいぶん寂しい思いをさせていたかも知れない。
会話を交わすのは休憩時間に公衆電話から、母親の迷惑にならない時間帯を見計らって一回だけ。
当然、店の混み具合で電話もかけられないほどのピークも多かったので、約束できる電話じゃない。
本格的に会えるのは、月2回ほど夜の数時間だけ。
たまに会うのは、西堀のロイヤルホストでAM7時待ち合わせの早朝デート。
彼女は出勤前のモーニングセット、僕は就眠前のプレートをテーブルにはさみ、小一時間の安らぎ。
最初は会えないことに愛情は深まったが、そんな交際が長続きしないことは薄々予感していた。
男は仕事に脂が乗ってくるし、女は家庭をもちたくなる。
20代は、男と女の根源的な違いに揺り動かされたり、戸惑ったりするものだ。
そうならないためにも、恋愛は同じ生活サイクルで温め合ったほうがいいかと思う。
合意の大人遊びなら別だが、許せるのなら身近な存在に優るものはない。
それ以来、彼女とは一度も会っていない。
同窓会は、さまざまな物語があるという。
いろいろな障害を乗り越えた年齢が集うだけに、あの頃の純情が再燃することもあるだろう。
そういう日の女性は、「24時のシンデレラ」になっているんだと思う。
だから、男は甘い夢を見て、おのれの遮断機を上げてはならない… いや、もう上がらないかもね。