2012年06月18日

闘牛士

17日、やぼ用があり、自転車で新潟下町(シモ)に出かけた。

入り組んだ路地を左右にハンドルを切っていると、ある一角からピアノの音色が聴こえてきた。
子どもが弾くタッチでドレミファ程度なんだけど、とても懐かしくて心地良く感じた。
少年時代、昼下りになると近所から女児が弾く、「ねこふんじゃった」とか、「月の砂漠」など、童謡曲が あちこちから聴こえてきたものだ。
それら日常の生活音で、情緒的にはおばあちゃんが奏でる、三味線の音色なんかも良かったなあー。

初夏の町ともなると、窓を全開にした部屋から、エレキギターなんかも聴こえてくる。
上手けりゃいいが、それが下手くそだと、暑苦しくてどうしょうもなくなる。
おまけにキーが合わない歌までかぶさってくると、終いには頭にくるわけよ。

中学時代、ロックギタリストのチャーが大ブームだった。
ある日、近所の窓から、当時のヒット曲「闘牛士」を歌い、チャーになりきってた高校生がいた。
一応、エレキギターの音なんだけど、「ビョョョ〜ン…」って感じの締まらないリフに加えて、調子こいて 「薔薇を投げるなら、明日にしてくれ」 と、歌詞か念仏だかわからないメロディーを唱えている。

僕もチャーが好きだったので、「チャーに失礼な野郎だ」と暴挙に出た。
自転車で窓辺へ近づき、大声で「ヘタクソー!」と叫んで、猛ダッシュで逃げると、必ず音が「ピタッ」と 鳴り止み、町が「シーン」と静まり返る。

振り返ると二階の窓辺から、怒りの形相でにらみつけている。
そのルックスは、デブッチョでニキビ面のロンゲ、上半身は裸でジーパン、首から十字架のペンダントをぶら下げてたと思うが、どう見てもチャーには見えず、グレート義太夫に近いわけだ。
それにしても、どうしてロックギターを弾く奴って、すぐに上半身裸になるのかな。
こうして下町(シモ)は、僕のような自警団 (?) により、いつもの平穏を取り戻すのだった。

その頃、わが家には、サイレントドラムがあった。
昼間だから、ドラムのラバーを外して、フリーソロを叩いた翌日。
近所では、「あの家の上の子、狂ったらしい」 と、噂されたらしい。

下町のトミー・スナイダー (ゴダイゴ)にはなれなかった。

posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする