2012年05月17日

稀勢の里

稀勢の里は優勝する。

連日危なっかしい相撲ばかりだが、それでも今場所に限れば優勝する。
いや、そうじゃなきゃいけないのは、稀勢の里は劇画の「タイガーマスク」だからである。
そう書くと、「おいおい、このおっさん、また何を言い出すんだ…」と思われるが、まあ聞いてほしい。

稀勢の里は無愛想で、いつもふて腐れたような態度で相撲を取っている。
あの態度を苦々しく思う、相撲ファンは多いはずだ。
だが、本場所の本割、真剣勝負だからこそ、あのような表情や態度になるとは考えられないか。
彼は地方巡業の花相撲では、あんな表情や態度はしていない。
寧ろ、大相撲普及のため、努めてファンサービスをしている方だ。
それに兄弟子の若の里と同じく、数少ないとされているガチンコ力士のひとりなのである。

劇画タイガーマスクの物語上、虎の穴主催で覆面ワールドリーグ戦が開催された。
悪のマネージャーが率いる虎の穴軍団は、タイガー抹殺を狙う冷酷無比な刺客レスラーである。
スポーツという名の殺人リングにフリー参戦したのは、理由があるタイガーマスクただひとり。
虎の穴の刺客レスラーたちは、仲間同士で適当に勝敗の回し合いで調整しているだけ。
実は優勝賞金の10万ドルは、タイガーをリングで抹殺したレスラーに贈られることになっていた。
そう、連中たちはタイガーとの対戦だけ、本気で潰しにかかるシンジケートだったのだ。
日本プロレスを裏切ったとして、観客までも敵に回して、孤独な戦いを強いられたタイガー。
孤立無援の中、自分が信じたものに挑む、巨悪に対する敢闘精神は見上げたドラマだった。

稀勢の里とタイガーマスクは共通している。
私利私欲にまみれず、絶対に八百長に手を染めない男の気概だ。
それこそ、「フェアープレーで きりぬけて 男の根性 見せてやれ」である。
周囲の空気を読んで歩調を合わせたりせず、イザというときは軋轢を怖がらない芯の強さ。
納得できない結束はせず、誤解されても言い訳せず、嫌われても自分の筋はしっかり通す信念。
今どきの若者は流暢に喋り、人目を引く器用さはあるが、本当に頼りになるのは口下手で不器用だが、行動に嘘がない、「稀勢の里タイプ」じゃないかな。
どこか口先から生まれたヒーローよりも、辛抱強く行動できるヒーローを応援したくなるものだ。

稀勢の里には、長年黒い霧に包まれた相撲界の、「稀勢のマスク」になってほしいのダー  猪木?
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Sports Fan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする