2012年05月05日

Fumio Karashima (P)

辛島文雄のユニットで好きだったのが、88年結成 「辛島文雄クインテット」

三枚のCDの内 「ラストライブ」 (91) は、僕の愛聴盤と言ってもいい。
録音場所は、「六本木ピットイン」で、会場五列目で聴いていたのも、私的な理由だけどね。

結成にあたり、若手のフロントライン2名を加入し、サウンドに厚みを効かせた。
選ばれたのは、新宿ピットインの昼の部で頭角を現していた、藤陵雅裕(As)と井上淑彦(Ts)。
特に、藤陵のスリリングなスピードあるアルトは、当時の昼の部から注目していたほどだった。
ベースは桜井郁雄で申し分ないし、ドラムはミッキーのカルテットでも兼任していた、奥平真吾の存在が絶対条件だった。
それにしても、辛島さんは 「本当にいいメンバーを集めた」 と思う。
しかも3年で解散を決めたのも、真吾が渡米で脱退するので、潔くピリオドを打ったという。
リーダーでありながら、それほどドラマーにはこだわりを持っていたところが辛島さんらしい。
そういうところにも、辛島クインテットの強い結束感があったのだと思う。

今思い出しても、シビれる場面も多かった。
ハイテンポな曲の途中、フロント奏者のどちらが先にソロオーダーに行くか譲り合った場面があった。
すかさず、辛島さんが人差指で、藤陵さんに 「行け」 と命じた。
するとステージ中央に飛び出して、一気にハイトーンまで上り詰める激しいブローを繰り広げた。
まるで、デイブ・リーブマンばりのブローに歓声が湧き上がり、その後もアグレッシブなインタープレイにヒートアップさせられてしまった。
この、ドライブ感は並ではなく、ガッチリと根底を支えているのが、やっぱり真吾なんだよね。
勢いに乗った彼らは、残りのスタンダード曲もガンガンと押しまくった。

ラストナンバーは、「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」を全員で締めて、ステージに残った辛島さんによるピアノソロ、「アイ・ラブ・ユー」で終演。
リーダーとして 「本当にメンバーのことを愛していたんだな」 と、ホロッときちゃったね。
91年 「辛島文雄クインテット」 解散ライブに、立ち会えて良かった。

こうして、今以上にジャズが熱かったときの思い出を書き綴っているが、記憶を描写することによって、少しでもジャズの面白味を感じてもらえば、僕も語り甲斐あるというものだ。

愛聴盤
「AVANTI」 Fumio Karashima Quintet (1988)
「LAST LIVE」 Fumio Karashima Quintet (1991)

posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz & Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする