2011年11月14日

すき焼き

食卓で箸を交えるなら、すき焼きがいい。

変り種の具は入れないが、牛肉以外であれば、椎茸と長葱が好きだ。
生卵も好きなので、四個は溶いてしまう。
締めには、卵をとじた雑炊が好きだが、相方はうどんと好みが割れる。

すき焼きは、夜の王道料理である。
飲みながらつまめるし、小腹が空けば残った汁を使い、後の腹持ちをしのげる。
長い夜を持たせるには、本当にオツな食材である。

すき焼きには、思い出がある。
社会人に成り立ての頃、神奈川県の上司宅に泊めていただき、奥さんと僕の三人ですき焼きを囲んだ。
上司は僕の遠慮を見かねて、「若いんだから、どんどん食べろ」と、牛肉を器に放り込んでくる。
ご飯と一緒に、リスの口のようにパンパンと膨らませて、子供のように食べている僕の姿を、姿勢を正しく保ちながら、上品に笑って見ていた奥さんの姿が、今でも印象に残っている。
食べながら、「両親は元気か…」、「ちゃんと飯を食べてるか…」など、私生活も気にかけてくれていた。
今思えば、部下の営業成績ばかり、監視する上司が多かったのだが、それを言うことが許されるのは、 「最近どうした…」と、言える人ではないだろうか。

食後は上司が好きな、ジャズギタリスト「ウェス・モンゴメリー」を聴きながら、三人でウイスキーを飲んで長い夜を過ごした。
そんな元上司とは、今も年賀状のやり取りをしており、正月だけは電話で元気な声を確認し合っている。

すき焼きをつまんでいると、たまにあの光景を思い出してしまう。
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする