2011年08月12日

童貞物語

10代の若者にとって、夏は誘惑の多い季節だ。

男女とも、色恋はせいぜい20代後半頃までで、以後は「あっちぇなぁ」の連発で、今の年齢まで到達してきた人が大半であろう。
当時、ビキニを着ていた女も今では、ウチワで股間をあおいでいるかと思う。
当時、体が締まっていた男も今では、腹で股間が見えなくなっていると思う。
今となっては、夏のワクワクやウキウキなんて感じなくなってしまった。

男の思春期にとって、夏休みは複雑なモヤモヤ感がかけめぐる。
僕が強烈に大人の性を意識したのは、中学高校の6年間であった。
夏休みは童貞喪失に憧れを抱きながら、部活とバイトに明け暮れて、結局は何も起こらずじまい。
始業式に想いを寄せている同級生の女が、突然イメチェンして現れると、「あの女、やったぞ!」と勝手な妄想を思い浮かべ、自分で自分を傷つけたりする訳だ。

その頃、すでに童貞を捨てた同級生は、1の経験を10の経験のようにして話す。
それでも、僕らは質問や接続語を入れては、その状況検証をやめようとしない。
そのうち、「しょうがねえな〜」とか言って、今までに見たことのない奇妙な動きを始めて、「いいか、こうして、こうやって、こうやるんだ!」と、テンションが高くなっている。
彼は優越感に満ちた顔で、「女っうのはよお〜」とか、言い出して、明らかに上から目線。
僕らはそれを聞きながら、「ほーう、なるほど」としか、言いようがなかったのが情けなかった。

高校3年生の夏休みは少し焦りだした。
僕ら童貞仲間は部活帰り、古町三番町「日活」で、ポルノ映画を観に行くという荒技を覚えた。
私服に着替え、思いっきり低い声で、「大人一枚…」で入館する。
そんな大人にふんした高校生が、時間差で何人も連なってくるんだから、チケット売場のおばさんはきっと、「この子たち、まったくしょうがないね…」って、呆れ顔だったと思う。
それを機に、部活の全国大会選手でありながら、遠征先でユニフォームを着たままで、ポルノ映画を観ていたんだから、今思えば大問題であり、しかも全員が童貞であったことの方が笑える。
振り返れば、今で言う「草食系男子」って、いたにはいたけど少なかった。
夏は思春期の男の股間… 失礼、「五感」を刺激するのである。

あの頃、俺たちはアホだったけど、閉じこもらない明るさとコンプレックスに笑いをもっていたと思う。
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする